改めて少女の顔を見つめてみる。

艶やかな金髪、

透けるような白い肌、

そして、アイスブルーの大きな瞳。

やはり、少女は早紀とは似ても似つかぬ別人だった。

「何からお話しすれば?」

と少女――ジェシカが言った。

「すべて」と僕は答えた。

僕にはその権利があるし、そのための時間なら幾らでもあった。

ジェシカはしばらく黙っていた。

何かを思案している様子でもなく、かといって僕を観察しているという風でもない。

「僕から話そうか」

僕はティーカップをテーブルに戻し、少女の瞳を探るようにそう言った。

少女は何も言わずに頷いた。