「それで、いったい僕たちはどこで何をすればいいんだい?」

「さてネ」

「随分もったいぶるじゃないか」

「性分なんだ」

「違うよ。暇なだけさ」

「ハハハ、風見鶏だからネ」

そう言うと、風見鶏は水しぶきと一緒にぺちんと割れた。

「……消えた?」

僕は訝しげに眉をひそめた。

進展があるわけでもなく幕を閉じた風見鶏との会話に、僕はどうにも納得することができなかった。

何事もなく消えるくらいなら、どうして風見鶏は僕の前に姿を現したのか。

そうシロナに投げかけると、シロナはゆっくりと息を吐いて、まるで遠くを見るような瞳で僕を見つめた。