結局その日は一日エディンバラ城で時間を過ごした。

次の日も、またその次の日も。

これといった変化もないままに、僕たちは気の向くままにエディンバラの街を歩き、何かを見つけては写真を撮った。

ヨークから撮り始めた写真は、いつの間にかフォトアルバム一冊分にまでなっていた。

果たしてシロナが映っているかどうか最初は疑問に思ったけれど、そんな心配は杞憂に終わった。

写真の中には、相変わらずぎこちなく笑う僕が居て、とても楽しそうにポーズを決めるシロナが居た。

ホテルで写真を広げるたびに、シロナは僕を指さして笑い、どうすれば自然に振る舞えるかを指導してくれた。

それでも巧く笑えなかった。

「でも、随分最初の頃よりはマシになったと思わない?」

シロナはそう言って僕の頭を撫でた。

僕はその細い手首を引き寄せて、動けなくなるまでシロナを抱いた。

早紀と重ねたんじゃない。

心から側にいて欲しいと、僕の心が悲鳴を上げていた。