「これが最後の仲介にございます。どうか陛下のご提案をお受け下さいませ」

ある日、ジェーンを訪問したフェケナム司祭は言った。

彼の役目は、敬虔なプロテスタントであるジェーンをカトリック教徒に転身させることだった。

「いいえ」

ジェーンはこの日も首を横に振った。

もはや彼女の心には、一点の曇りもないように見えた。

「……分かりました」

「今までありがとう。司祭様」

「神のご加護を」

司祭はジェーンの小さな手に自分の手のひらを乗せ、祈りを捧げた。

『美しい女性だ』

ジェーンの気高さと勇気に感銘を受けた司祭は、この時、処刑される最後の一瞬まで少女に付き添うことを誓った。