ロンドンの市街を二分するように、緩やかに流れる川、テムズ川。
ロンドン塔は、そのテムズ川のほとりに建っていた。
塔という名前から、僕はそびえ立つような高い建物を想像していたのだが、実際はまるで違っていた。
「お城みたいね」
とシロナが言った。
確かに、「ロンドン城」と呼んだ方がしっくりくると僕も思った。
塔の城壁はすべて白に近い灰白色の石で造られていて、城内の庭には一面に芝が張られていた。
鮮やかな白と緑のコントラスト。
それは、さながらエメラルドグリーンの珊瑚礁のようだった。
城内に入ると、山猫教授はまず僕たちを一段低い水門の前に連れて行った。
そこでは、教授と同じような出で立ちの男性が、集まってきた観光客に向かって何やら大声で演説を振りまいていた。
「あれは?」
シロナが首を捻った。
「ガイドじゃよ」
つるりと頬を撫で、山猫教授は目の前にあるアーチ状の水門を見上げた。
ロンドン塔は、そのテムズ川のほとりに建っていた。
塔という名前から、僕はそびえ立つような高い建物を想像していたのだが、実際はまるで違っていた。
「お城みたいね」
とシロナが言った。
確かに、「ロンドン城」と呼んだ方がしっくりくると僕も思った。
塔の城壁はすべて白に近い灰白色の石で造られていて、城内の庭には一面に芝が張られていた。
鮮やかな白と緑のコントラスト。
それは、さながらエメラルドグリーンの珊瑚礁のようだった。
城内に入ると、山猫教授はまず僕たちを一段低い水門の前に連れて行った。
そこでは、教授と同じような出で立ちの男性が、集まってきた観光客に向かって何やら大声で演説を振りまいていた。
「あれは?」
シロナが首を捻った。
「ガイドじゃよ」
つるりと頬を撫で、山猫教授は目の前にあるアーチ状の水門を見上げた。