「僕も訊いていいかな」

僕は新しい煙草に火を付け、ゆっくりと煙を燻らせた。

「君は誰なんだい?」

僕の質問に、シロナは黙って何枚目かの絵はがきを見せた。

絵はがきには紺色の海が映っていて、だけどもその海を泳ぐシロナガスクジラの姿はどこにも見あたらなかった。

「君の役目は?」

僕がそう訊ねると、シロナは一瞬だけ考えてこう言った。


「あなたを最期まで見届けることよ」