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それは本当に突然の出来事だった。

例えるなら、トンネルの出口が崖だったとか、あるいはいきなり流れ弾を浴びたといった具合に。

ある日突然、僕から早紀を奪っていった教師が捕まった。

早紀の「遺書」が見つかったのだ。

遺書にはあの腐りきった日々の記憶が克明に綴られ、写真や、録音されたテープまでもが添えられていた。


――早紀は、

首を吊って死んだ。


そうすることで早紀は男を半永久的に社会から追放し、そして僕を海の底に沈めた。

深い

深い

暗くて

冷たくて

寡黙な深海の底へ。



早紀は、僕の双子の姉だった。