いつしかその思いは、僕の中で確信へと変わっていた。

何故かは分からない。

ただ何となく、漠然と。ジェーンについて語る山猫の後ろ姿を眺めながら、僕はその向こうに立つ「彼女」の姿を想像した。

「考え事?」

ビールの缶を頬に当て、シロナが小首を傾げて僕を覗き込んだ。

「まあね」と僕は答えた。

「山猫教授はいったいどこに消えたんだろうかと思ってね」

「気になる?」

「別に」

「ふふ」

シロナは意味深に微笑み、例の絵はがきを順番に捲っていった。

「ちゃんとここに居るわ」

「やっぱりそうなのか?」

「もちろんよ」

シロナはそう言うと、机の上に絵はがきを伏せた。