「――――――――なぁ藤花」 「はい?」 「ここでよくね?」 「そうですね」 そう言って二人は目の前にある扉の文字を見て、顔を合わせて楽しそうに笑った。 ギギイと錆びれた物独特の音を立てながら、開けた。 中には誰もいないことを確認してから、ソロリ、ソロリと足音を忍ばせながら奥へと進んだ。 左右に並ぶ器材は簡単に言ってしまえば、調理器具。