準備も整い、朝食を食べに一階へ降りた。



「…はよ」


私はぼそりと挨拶をしてからテーブルに着く。






「あら、おはよう。早かったわね。もう少しで出来るわよ~」



丁寧に巻かれたショコラ色の髪が気持ち良さげに揺れていた。



【綺麗】と言うよりも【可愛い】が似合う小柄な母はお気に入りのピンクのエプロンを付けてテキパキと用意を進めていく。








既に食事を済ませ新聞を読んでいた父も気付き、

「おはよう。と、ただいま!今日からユメは2年生かぁ…いや~早い」
と言って私に笑顔を向ける。





プロゴルファーである父は様々なツアーに参加するため月の半分以上を海外で過ごしている。


今朝帰国したのだろう。
キャリーケースとゴルフバッグがまだ玄関先に残されていた。