「あっ、千乃!」 聞きなれた声の方を向く。 「あっ、パパァ!」 「学校か?頑張れよ!」 「もっちろぉん♪」 遅刻しそうなものだから、 急ぎ足でその場を去った。 パパは会社を設立してから、 朝が早くなった。 一緒にご飯を食べることがここ最近ない。 ただ、あの憎たらしい弟と毎朝毎朝… 「何故顔を合わせて食べなきゃいけない!」 「え?何なにー?」 「あっ、紀(のり)ちゃん♪」