「そういえば…昨日言い忘れた事があったのですが…」

「?」

「死神の掟についてです。」

「へー死神にもルールなんてものがあるのか。」

「はい。
まず一つ目は、自分が死神である事を口外しない事。
まあ…自ら死神であると宣言することは…しないと思いますけど。」

「確かにな。つか恥かしくてそんなん言えねえよ…」
青羽が呆れて言った。

「二つ目は一日に捌けるのは一人のみ。」

「三つ目は…如何なる場合であっても捌かれる者を生かしてはならない。」
紅卯月が真剣な表情で言った。

「どんな事情があるにせよ、必ず捌かなければならないのです。」

そう言うと一息置いた。
「捌かれた者は…25時間が経過の後、この世を去ります。」


「!てことは…早坂は…」

「既にこの世を去り、地獄へと。
捌かれた者の死に方は皆それぞれ…
早坂は舌を噛み切り自殺。
残念ながら死に方までは私たちが決める事は出来ません。
死に方くらい、本人の好きなように…ね」

紅卯月が少し口の端を緩め言った。
それはどこか冷たく感じるものでもあった。