「まだ夢だと思うのですか?貴女は死神になったのですよ。」


そうだ、それだ。

「ちょ、ちょっとまて。一番気になるのはそれだ!さっきから言っているその`死神'って何の事なんだ!?」

少女は一息吐くと説明し始めた。

「`死神'とは、魂の裁判官の事です。死の際に立つ人間の魂のその後を決めるのです。
人間の魂は死後、天国か地獄に逝きます。
そこはご想像通り、天国とは楽園であり、地獄とは苦痛の場所です。

子どもの頃言われませんでしたか?
良い事をすれば死後天国へ行ける、
悪い事をすれば地獄へ墜ちる、と。

しかしそれは只の言い伝え。
実際は死後魂がどこに逝くかは死神が決めるのです。

そして今日からは、貴女がその役目を担うのです。」

そこまで言うとまた彼女は黙った。


死神…良く絵本などで目にするのは骸骨のようなものが黒く長い服を纏って、大きな鎌を持っている姿だ。

そしてその鎌で人を切り魂を持って逝ってしまう…

と思っていたのだが…
死神というとまるで悪いイメージしか浮かんで来ない。