ゲホゲホ


「美幸!!大丈夫?!学校は行ける?!」










「薬飲んだから大丈夫。そこまであたしは弱くないよ。」










あたしは病弱だ。

病弱だけど威勢だけは誰にも負けるつもりはない。


今日は中学の入学式だ。


あたしは人生初の入学式だ。


小学校の時は風邪を煩わし入院をして、幼稚園の時は高熱を出し救急車で運ばれたからだ。


あたしは一年間休まず学校へ行った覚えはない。


しかし、あたしは今健康維持最長記録更新をした。


なんて言ったってここ三ヶ月は入院をしていないのだから。


まぁそんなことを思いながらあたしは学校内へ入っていった。


中学校は明らかに小学校より広かった。


校舎は大きいし、クラスもたくさんある。


小学校にはなかった大きな桜の木がなんと10本もあるのだ。


しかし楽しいときは長くは続かず、咳込みを何度もしていた。


たんのつまった感じの咳。


喉や肺が痛い。


チクチクする。


仕方なくフラフラと桜の木の陰に腰を卸すことにした。


キャーキャー黄色い声が聞こえる。


クラスが分かったのだろうか。


あんな人込みの中へ入ってしまったらどれだけ苦しいのだろうか?


想像しただけで悍ましいからクラス編入表を見に行くのをやめにした。


どうして病弱なやつって不利なのか?

どうしてあたしだけ??


神は平等に与えてくれないのか?


そんな不満を感じながらもあたしはじっと座り込んでいた。