「律!!!!」
先生達を振り切って階段も使わずに壇上に飛び乗った。
もう先生達はあきらめた顔をしてて
律はその倍くらい驚いた顔をしてる。
律の前で情けないけど膝に手をあてて肩で息をしてる俺に律が口を開いた。
「かず、と?」
久しぶりの全力疾走…はきついかな…。
「よぉ、…律」
片手をあげると律は
――――俺の背中をさすってきた。
ああ…、そうかあ。
俺は律のこんなとこも好きになったんじゃねえか。
律のなかに嫌いなとこなんてない
ざわついていた体育館もいつの間にかみんな俺らに注目して静かになってた。