「あれって会計の一条律ちゃんでしょ?」
「やっぱかわいーよなあ」
「彼氏いんのかなあ」
律、俺のもんだって諦めてよ。
そう思ったら足が勝手に動いてた。
律のいる壇上に。
「おいっ向井!」
「誰か向井をとめろ!!!」
先生の声とか聞こえなくて、ただ律しかみえなくて、
「向井くんっ!?」
ざわつきはじめた体育館。
どうせなら1番後ろじゃなくて1番前にいればよかった。
目立ちまくり…。
先生達を振り切って壇上にもう一歩ってとこで壇上の律と目があった。
「和人」
ざわつく体育館で律の口が確かにそう動いたのが分かった。