「あ…じゃあどうぞ」


一条 律がそう言って今度は俺が視線をはずせなくなった。


そして震える口を隠すように俺ははっきりと一条 律の目をみて言う。





「り――――――――




「律ー!!!!」」


バンっという音とともに図書館に和人さんが入ってきた――……。



俺の声は和人さんの声にかぶって一条 律には届かなかった。


「和人!!どうしたの!?」


一条 律の視界にもう俺はいない。


いるのは和人さん1人。


わかってたこと。


和人さんは一条 律しかみてねえし一条 律も和人さんしかみてねえ。