俺がここにいることじたいもう、2人は気にしないで歩き続けてる。


少しだけ、ほんの少しだけ彼女をつくる和人さんの気持ちが分かった。


一条 律が隣にいるのが当たり前で


2人愛し合うことが当たり前で


彼女つくってみるかな、なんて思った。


そして俺はその日の放課後、一条 律との授業のまえに同じクラスの女の子に告られた。


「碧くんのことが好きなんです」


顔を真っ赤にさせる彼女、


あんなふうに、一条 律が和人さんといるときのようにこの子は俺に笑ってくれる?


俺はすっかり忘れていた―――



俺のことを一条 律に好きになってもらって和人さんに前の和人さんに戻ってもらうこと