皐が私の所に顔を真っ赤にして戻って来たのは、数分後だった。
「どうだった!?」
「りょ…りょぅ……ぁりが…とて…そんで…ぁりが…とて…。」
「え!?ちょっ!!皐、落ち着いて!!」
皐がまともに喋れるようになったのは、五分後だった。
「涼丞先生が、ありがとうって。私は、手作りなんで、お口に合わないかもしれませんがって言ったら、手作りって…凄いなとか、一生懸命さが伝わるから嬉しいとか言ってくれて…。」
「良かっね♪」
「涼丞先生の笑顔、犯罪だよ!!もぅ、体中熱くて、汗いっぱいかいちゃったんだから!!」
「頑張ったね!!」
「うん。彩菜、ありがとう!!」
この時、2人はこれから起こるコトを、夢にも思ってなかった。