「今日の千秋…俺分かんないわ…」


そう言ってあたしの部屋を出て行った如月。切なくて歯がゆい気持ちが全身を駆け巡る。


「本当…分かんない。あたし…アイツのこと嫌いだったんじゃないの…?」


執事と主の恋愛なんて絶対存在しない…そう頑なに心で分かっていたはずなのに

自分でもう…悟ってしまったのかもしれない


「ないないない!絶対無い」


今1度心に誓う。あんな奴のことなど好きではない…と


「よっし!こういう時はテレビで憂さ晴らしだっ」


テレビがあるのはメインホール。不覚にも、この部屋には何故かテレビがない。


「繋げる所がないのかな…それしかないよね。理由。叔母さん、お金持ちだし…」


軽やかにステップを踏みながら、階段を下りる。

…そこで、今1番会いたくない奴に会ってしまった。


「千秋様、どうかなされたのですか」