うん、そうだね。 信じる。 明菜の事も、夏樹の事も。 これ以上人との関係を崩すのはもう嫌だ。 大切なものを失いたくないから… 「そろそろ着くぞ」 「うん」 中田祇園に着く頃には、もう辺りは真の闇だった。 街灯もなくて。 今はもう珍しい、蛍の光が見えた。 中田祇園の橋の前。 それはもう目前だった。