走りながら思った。


これで身に覚えができたんだ。


絢とキスをした。


あたしは浮気をした。


だから『お別れ』をした。


『さよなら』をした。


これでいい。


絢が追って来ないのは分かっていた。



「はぁっ…はぁ……」



しばらくした所で立ち止まって空を見上げてみる。



「はっ……キレー…」



もう星空が出てきてた事に少しびっくりしたけど、あたしはそのまま空を見ていた。


星はキレイに瞬いていて、月もキレイにおぼろげに光っていたのに


その月は、あたしの心のように欠けていた。