だいたい、よく考えてみたら、絢とあたしはカラダの関係を持った訳じゃない。


キスもしていない。


手すら繋いだ事もないんだ。



なのに…


一体、何を『お別れ』すればいいんだろう。


あたしの頭の中は、真っ白になってしまった。



何て言えばいいの?



あたしは俯いていた顔を上げて、全く何にも動じていない絢の顔を見つめた。


そしてゆっくりと口を開く。



「…ねぇ、あたしのこと、好きだった?」


絢がポカン、と口を開けた。


「おー…今も好きだしな。なぜか惹かれるっつーの? まぁ俺は京子の彼氏ほど多才でもねーけど」


てか、呼び方京子に戻ってるし。