「あ、そー。 夏実がそんな事言うなんて珍しいね。 どしたの?」
「えっ…え…そう?」
「うん。 アンタってさ、どっちかって言うと流されちゃうタイプじゃん。 特に男に」
明菜が感心したようにあたしを見る。
「うーん。 そーなのかなー」
本当は、あたしも分かっていた。
過去に付き合った男性に、みんな流されていたのは分かっていたから。
だから夏樹に会えた時、しっかりと自分を持てた気がして。
とにかくあたしの全てだと思っていたの。
なのに今は、何で絢にも心許してるんだろう……
あたしは頭を抱えた。
「夏実? どした? 頭痛いの?」
頭を抱えたあたしの顔を明菜が除き込んだ。
「ううん、違うの。 大丈夫だよ」