「あらー。 キョーコちゃんじゃない、ごきげんよう」
ヒロミさんはかけていたサングラスを頭にかけ直すと、ひらひらとあたしに手を降った。
「ねぇ、夏実! 知り合いなの?」
明菜があたしを小突く。
「あ…うん、ちょっとね…」
ヒロミさんが近づいてきて、あたしはヒロミさんに声をかけた事を少し後悔した。
「最近、Mr.シャマンに来てくれないじゃないのー。 絢に聞いても知らない、の一点張りだし…」
「や、ちょっと最近忙しくて…。 また行ける時にでも遊びに行きます」
「そーぉ? じゃあ待ってるわね。 それじゃ、あたしはあっちだから」
「あ、ハイ。 さよなら」
歩き方もモデルみたい。
今思ったけど、ヒロミさんはかなり長身。
だから余計にバランスよく見えるんだ。
あたしは無駄に感心してしまった。