あたしはチケットに書いてある1つのバンド名を指差した。


「んー? ロスキージャス?」


「うん。 たぶん、そんなような名前だったと思ったけど」


「ロスキージャスって? 何語なの? 英語? どーいう意味?」


「えぇっ…そんな事言われても分かんないよぉっ…」


「っていうか。 さすがに夏樹くんたちトリじゃあないんだぁ…」


「んー。 トリ飾れる程必死にはバンド活動やってなさそうだったしねー」


「ロマネスク・スタンド? ってトコがトリやるみたいだねー。 最近よく聞くけど」


「今度メジャーデビューするって噂だけど?」


一瞬、時が止まったのかと思った。


次の瞬間、明菜が思い切り息を吸ったのと同時に、あたしは急いで耳をふさいだ。



「ええぇぇぇええーー!!」