「手帳?」
「うん。 ピンクの花柄のなんだけど」
「あーもしかして…」
そう言いながら、深海絢はカウンターの下のところをゴソゴソとあさりだした。
「コレか?」
その手にあったものは、あたしが去年の暮れに確かに夏樹からもらった手帳だった。
「そう! それー!」
あたしはやっと手帳を見つけられて、嬉しくなって深海絢の手に飛びつこうとした。
が。
その手帳を持った手は、ひょいとさらに上に上げられ
元々背の低いあたしには到底届かない高さになった。
そして手に飛びつこうとしたあたしは、その手が上に上げられたことによって
思い切りカウンターに頭をぶつけた。