明菜は、ようやく泣き止んだ今もまだあたしを心配してくれていた。


「夏実ィ~。 やっぱり言った方がいいよ、夏樹くんに。 それで、謝ろっ。 あたしも一緒に行くし! 夏樹くん許してくれるよ」


「いい………」


「なんで…? このままじゃダメだよ! 結局終わっちゃうんだよ? 意味ないじゃん!」


あたしは何も言えなかった。


明菜が買ってきてくれた、あたしの大好きなフルーツの盛り合わせが目の前にあるのに


あたしは顔すら上げずに落ちたグレープフルーツをまだ眺めていた。



「夏実ィ~……」


明菜が肩を落としてあたしに近づき、あたしの肩に手を置いた。


「じゃあ気分転換にさ。 どっか行こ? じゃなきゃ行き苦しくてやってけないよ。 そんで、ゆっくり考えよ?」