振り向くと、そこには金髪美人、ヒロミさんの姿が。


『夏実、友達と一緒だった? それならいーんだけど』


「ううん! 違うの! 今からそっち行くね! まだ大学でしょ?」


『……おー…』


「うん! じゃあね!」


電話を切った直後、あたしはヒロミさんをキッと睨んだ。


「あらーごめんねー。 電話中だったぁ?」


このヘラッとした気の抜けそうな笑いが、深海絢に似てる。



「ごちそうさまでした。 あたしもう帰ります」


あたしはヒロミさんにそう言うと


バーに戻って、深海絢の隣に置いてあるバッグを引っ付かんでまた外に飛び出した。