『あ。 もしや浮気してました、とか?』



一気に顔が熱くなるのが分かった。


「ちっ違うよっ!!」


痛いところをつかれで、あたしは思いっきりムキになった。


心臓がバクバクすごいスピードでなってる。


これは浮気じゃない、って。

そう自分に言い聞かせる。



『ぶっ』


なのに携帯の向こうから聞こえてきたのは、いつもみたいに能天気な夏樹の笑い。



『んなムキになんなってー! ごめん、可愛くて今笑い堪えられなかった』



あたしは電話越しに頬を膨らませる。


『ごめんごめん。 俺、今日サークル早く終わっちゃって。 どっか行かねぇ?』



うん!って。

そう答えるつもりだった。






「ちょっと、京子ちゃん?」