「ついてこないでください。 ストーカーだって警察につき出しますよ」


ぶっきらぼうに聞こえるように棒読みに言ったのに、この男は聞く耳を持たない。



「今日はー? カレシはー?」


「失礼ですが、お名前は?」


気持ち悪いぐらいの120%スマイルを向けて、立ち止まった。



「あっ俺ねー。 よいしょ。 ハイ。 こーゆーもんです」


そいつは何の慌てた様子もなく、鞄からごそごそとケースを取り出し


その中の名刺の1枚をあたしに渡してきた。



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〇〇株式会社

◇◆製作部

深海 絢


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「……しんかい……あや…?」