「そりゃーアンタが不安にさせてるとしか思えないよ」


今、あたしは大学近くのよく来るカフェで明菜(あきな)とレポートを作りながら昨日の事を話していた。



「そーなのかなー」


「うんー。 だって夏樹くんといるときにその謎の男に会ったんでしょ?」


「いや、そうだけど……でも…」


「だいたいさぁ。 その男が誰だかハッキリさせなよ」


「それが誰だか分かんないんだって! グラサンに茶髪に……売れてるV系バンドっぽい人」


「あんたにそんな知り合いいた?」


「でしょー!? いないでしょ? だから知らない人だって思い込むことにしたの」


「いや、でも知らない人じゃないんじゃない? あんたに似てて名前も同じ『京子』って…カナリ確率低いよ」


明菜が探偵のように腕を組む。