嵐の本音。

私は知らない。


嵐のシャッターの向こうの気持ち。

知りたいのに、私には追求できない。


近くにいそうで、でも守る人がいて、私からは決して近寄れない。

辛くない…?
そう聞かれれば確かに辛い。

でも、私は嵐との繋がりを選び続ける。

それが、嵐との道で私ができること。


今いる場所を失ってまで、自分の気持ちを口にすることはできない。
いつか…いつか、耐えきれず言葉にする日が来るかもしれない。

今はただ、友達として繋がっていれるだけで、落ちても這い上がる力がある。

彼女の視線を感じ、胸が痛くなってもだ。


翌朝、昇降口で彼女が声をかけてきた。

背後からの挨拶は本当にびっくりする。
見えてないから心の準備ができてないのだ。

「あ…おはよう」

変な挨拶になるのが心苦しい。

優しい笑顔を私に残して、彼女は先に階段へ向かった。

どこまでも澄んだ彼女。

彼女の背中を見ながら、ごめんねと心で呟いた。