君は突然あたしの前から消えたよね


何も言わずに…


空に溶け込んで行った。

あたしに残ったもの…

なんて、君との思い出や君を好きでいる心、行き場のない辛さだけだった。


朝起きてカーテンを開ける。
どこかで見た男が立っている。

「紗也華(サヤカ)っ!!」


その男は、あたしの名前を呼ぶ。

ついていかないあたしの脳みそ。

だって…
ここ2階。

だって…
朔(サク)死んだよね?


あぁ…
疲れてるのかな、あたし。



シャッッッ…


見なかった事にして
カーテンを閉じる。


だけどやっぱりカーテンを開けなきゃ暗い


パシパシ…

ほっぺを叩いてから
開けてみる。



「紗也華~」

「さ…く…!!!」


…やっぱり朔…。


なんで?
生きてたの?
ううん、違う
お葬式でたもん。

じゃあ…何?


分からない
けど
言葉より先に出たのは
涙だった。

「紗也華?」

窓の外に
浮かぶ朔は
あたしを見て不安そうに顔を傾げた。

置いてったのは
朔だった。

涙が枯れるほど泣いた。

もう逢えない。


そう思ってたのに…







「ゆ~れ~でもあえたぁー」


泣き崩れるあたし。
朝から良く泣ける。

「幽霊とかいうなよな~」



笑っていう朔。



幽霊でいい。

だからもう離れないで…




朔。