「…それに、本当に私を
襲う気なんてなかったんでしょ?」




あんなに早く諦めちゃうなんて
虫がよすぎる。




…最初会ったときも、
少しさみしげな表情をしていた。





「…どうでしょうね」




…本当は、


シュトリはどこか自分のしてたことに
疑問を感じてたんじゃないのかな。





ストラスの言葉が正しいって、
そう思ったんじゃないのかな。




…本当は、とても心の優しい
悪魔なんだ。





シュトリも、あいつも。






「しかし、どうするつもりです?


私はもはやこれで自由の身なんですよ」




あ、そっか。
それ考えてなかった。



と思うと、ストラスがあくびしながら
言った。




『んなもん、適当に暮らしてきゃ
いーだろが。


俺らは食物なんて必要としねーし』