「……何?」

「昨日…生徒玄関にいたのは陽菜。私じゃないわ。」

「何言ってんだ、陽菜があんなことするわけないだろ。

陽菜だって証拠はあるのか?」

小雨は滴る血に顔を濡らしながらも、俺をじっと見つめた。

その目に自分自身を殺そうとしている俺だけを映して、彼女は真摯に言った。



「…信じて。」