「んっ…!」

五十嵐の全てが、私をかき乱す。

本能のままに、何もかも。

触れる吐息も、唇も、舌も、指も、いつもより激しい。

でも、嫌じゃなかった。

無理じゃなかった。

「五十嵐…」

甘い声の合間に、名前を呼んだ。

「好き…」

私の言葉に、五十嵐はニヤッと笑った。

また激しくなる動き。

すでに余裕をなくした五十嵐を、私は受け止める。

「好き…」

うわごとのように、言う。

「五十嵐……好き……」

何度も、その言葉を言った。

この言葉が五十嵐に伝わったのか、わからない。

でも私には、今ので充分だった。

思いが、通じているような気がするから。

しがみつくように、私は五十嵐の背中に手を回した。

「五十嵐……好き……」

果てるまで、私はこの言葉を言い続けた。