「ついたよ」

未だに媚薬に悶える五十嵐を、ベッドに寝かせた。

五十嵐の部屋。

そして、いつも私が抱かれてる場所。

「悪ィ…な…」

かすれた声で、五十嵐が言った。

「秘書として、当然よ」

私は、言う。

五十嵐を、小田切紅花に渡したくなんかなかった。

卑怯な手を使って、五十嵐を手に入れようとしたヤツなんかに。

そう思うのは、私のわがまま?

「俺は……お前を秘書だなんて思ったことは……ない」

五十嵐が言った。

えっ?

それって、どう言う意味?

私は五十嵐を見つめる。

「んっ…」

見つめていたら、五十嵐が唇をふさいできた。

頭がおかしくなるくらいの、濃厚なキス。