それは、ごめんだった。

それって、3人部屋の中にいるってことでしょ?

そんなの、嫌よ…。

五十嵐はため息をつくと、
「勝手にしろ」

それだけ言うと、部屋に戻った。

私、何してるのよ…。

五十嵐を困らせて。

でも、小田切紅花と一緒にいたくないのは、私のわがままだった。

けど、五十嵐が彼女と一緒にいるのは、もっと嫌。

ドア越しから、2人の様子が伝わってきそうだった。

そう思うと、泣きそうになった。

そっと、ドアノブに手をかけようとした時だった。

ガッシャーン!

な、何!?

ドアを開け、中に入る。

私は、手で口をおおった。

信じられない、光景だった。

粉々に砕け散ったティーカップの横で、五十嵐が倒れていた。

躰が、痙攣(ケイレン)したみたいに震えている。