「お見合い、どうするの?」

私は横で寝そべっている五十嵐に聞いた。

「別に、どうもしねーよ」

そんな返事じゃわからないって思ってる自分がいる。

「断るの?」

「ま、そう言うことだな」

断る――いい返事のはずなのに、こんなに不安に思うのは何故?

私って、欲張り。

「…まだ、好きなんだ。

みどりさんのこと」

出したくない名前。

私、何言ってるの?

五十嵐は、黙った。

どうして急に黙るの?

私がみどりさんの名前を出したから?

「ねえ…」

出かけた言葉を、唇でふさがれた。

甘くて濃厚なキスを楽しむと、唇が離れた。

「悪ィ…。

今夜は、寝かせねー…」

五十嵐がおおいかぶさってきた。

この思いを伝えることは、無理なのかも知れない…。

いつになったら、この思いは伝わるのかな?