「五十嵐雄平さんは、どうだった?」

「とってもいい人だったわ。

すごく話も合ったし……でも」

「でも、どうしたの?」

「秘書の紺野さん、すごく気になるの」

「どうして?」

「あの人を、気にしてた。

もしかしたら五十嵐さんは、あの人のことが好きなのかも知れない…」

小田切紅花がそんな会話をしていたことなんて、誰も知らない。

もちろん、私も――。


「んっ……やあっ……」

仕事と称されて、今日も抱かれている。

本当は、腰が痛いからって断ったけど、
「腰のことなんて忘れさせてやるくらい、抱いてやる」
と、五十嵐に言われた。

そんで、この通り。

……明日ヘルニアになったら、どうしてくれるの?

とは言っても、五十嵐を受け入れることは、そんなに嫌ではなかった。

奥さんの身代わりでもいい。

躰だけの関係でもいい。

そう思う私は、重症?