見合い当日。

高級ホテルのロビーで、私たちは小田切紅花を待っていた。

「ったく、何だよ!」

ふてくされたように、五十嵐が言った。

私は…腰を痛めていた。

だってめっちゃやられたんだもん!

激しいくらいにやられたんだもん!

腰痛にもなるよ!

そのうえ、今日の五十嵐の態度。

…腰が痛い。

「んで、いつくるんだ?」

「もうじき、くるはず…」

私は、ホテルに入ってきた人物を見た。

ボブショートの黒髪、色白の肌、整った顔立ち――小田切紅花だ。

ハイヒールをコツコツ言わせながら、今日も自分がデザインした新作の洋服で登場。

「…きました」

五十嵐が小田切紅花を見た。

小田切紅花が、五十嵐の前に立ち止まった。

自信たっぷりな表情で、五十嵐を見る。