せめてもの抵抗と言うように、私はウイスキーを飲まないようにした。

けど、舌が口の中を乱す。

「んっ……んんっ……」

立つことがやっとのキスに、耐えきれない。

つい、ウイスキーを飲んでしまった。

全部飲んだことを承知したと言うように、男が唇を離した。

何なのよ、一体。

「思ったよりも、ずいぶんいい反応するじゃねーか」

ウイスキー入りの、濃厚なキスに体力を奪われた私は、何も言えない。

「気に入ったよ、お嬢さん」

あごをつかまれた。

吐息がかかるくらい、顔が近い。

「名前、聞こうか?」

サングラス越しに光る瞳が、怖い。

「……瑠、璃……」

瞳に耐えきれなくて、私は答えた。