しだいに、抜けてくる力。

“抵抗”と言う言葉を忘れそうになる。

「はっ…」

唇が離れる。

五十嵐の唇の端に、血がついていた。

「めちゃくちゃにするぞ?」

五十嵐が言った。

「焦らしたお前が、悪いんだからな」

抵抗させないと言うように、五十嵐が触れてきた。

「んっ…いやっ…」

躰をよじって逃げようとするものの、かなわない。

「ちゃんと感じてるくせにな。

乱暴がいいのか」

「違…」

答えるすきも与えないと言うように、五十嵐が触れてくる。

感じている自分が、すごく憎い。

嫌なはずなのに…。

嫌で嫌で仕方がないのに…。

気がついたら甘い声を出して、五十嵐に感じている自分がいる。