「あらま~……」
放課後、私は校舎の裏にある大きな木の下にいた。
地面に小鳥のヒナが転がっていたのを発見した私。
ヒナは木を見上げて、心細そうにピーピー鳴いていた。
私も見上げてみると、なるほど木の上には小鳥の巣がある。
「落ちちゃったの?」
私はヒナを優しく手の上に乗っけた。
「落ちちゃったんだー……かわいそうに。
落ちたといえば、去年私も高校受験落ちたんだよね~……。
だから気持ち分かるよー。
落ちるってつらいよねぇ……」
どーでもいい暗い話題を話すと、ヒナは同情するかのように鳴いてくれた(と思う)。
「大丈夫、任せて!
私が巣に帰してあげるからね!」
私はヒナの頭を撫でる。
……と、言ってはみたものの。
巣は木のてっぺん近く、つまり私の身長よりもずっとずっと高いところにある。
背伸びしたって、151センチの私には到底届かない。
うーん……どうしたものか。
木を見上げたまま私が固まっていた、その時だった。
背後でガサッと足音がして、振り返ると見覚えのある金髪が目に飛び込んできた。
「……!
お……!?
おだ、おだおだおだおだ……!」
小田切くん……!?