え……!?


も……もしかして、私ヘンなこと言った!?


もしかして、怒らせちゃったのかな!?


「おっ、小田切くん!

ごめ……」


私が言おうとした言葉は、小田切くんの低い声によって遮られた。


「……サンキューな」


ボソッと呟いた小田切くん。


ぶっきらぼうな口調の上に、目も合わせてくれなかったけど……。


小田切くんは耳まで真っ赤になっていた。


う、そ……。


まさか小田切くんにお礼言われるなんて……。


まさか小田切くんが照れてるなんて……。


「んだよ!

ジロジロ見てんじゃねえ!」


いつもなら、遠くから聞いただけでも怖くて身震いしてしまう小田切くんの怒鳴り声。


でも今はいくら怒鳴られたって、ちっとも怖くないよ。


「おい!?

なんでまた泣くんだよ!?」


だって、だって……。


「おだ……小田切くんが……サンキューって言ったあ~」


ずっと怖い人だと思ってたのに……。


そんな優しい顔で、そんなこと言われたら、嬉しくて涙が出ちゃうよ……。


「ほんと、おもしれェヤツ……」


小田切くんが私の髪をくしゃくしゃかき混ぜた。


小田切くんの手に撫でられる度、体の芯が熱くなった。