先生が携帯の画面と小田切くんを交互に見る。


「……小田切くん、本当にやっていなかったんですね」


「だーから!

さっきからそう言ってんだろーが!」


「……そうか。

疑って、悪かったね」


安心した私は思わずその場にへなへなと崩れ落ちた。


「良かったあ……!

良かったあああ……!」


無意識に、涙が溢れる。


「っとに、恥ずかしい女……」


小田切くんに引きずられるようにして職員室を出た。


「おい、泣きやめって」


「だってぇ~……。

涙、がっ……止まらないんだよお~……」


小田切くんは小さくため息をつくと、私を引っ張って誰もいない教室に入った。