タッタッタッタッ

足音が聞こえる

この足音が雅の物だったらって考えてしまう自分がいる

「ハアハア…

 綺羅!!

 おまっ…!!

 なんできなり飛び出す…?!

 なんで…

 泣いてる?」

十雅、なんで来てくれるの?

なんでそんなに優しくするの?

何?なんなの?

「…綺羅

 お前、兄貴のこと知ってんのか…?」

「…知ってるよ」


よーく知ってる

あたしの大切な人

あたしの初めての恋の相手

あたしの…

あたしの事を受け止めてくれた、初めての人

「……やっぱりな。」

え?

やっぱりな?