美咲が私の服を物色している間、シャワーを浴びる。
熱いシャワーが疲れた体に沁みる。
お湯に浸かりたい気持ちになったが、さすがにそんな余裕はない。
髪を洗いながら昨日のことを思い出そうとするがうまくいかない。
そもそも酒を飲み過ぎて気付いたら家のベッドなんてことは珍しいことじゃない。
大学一年の春なんてだれでもこんなもんだろう。
大学生になったことにうかれて飲みまくる。
いっそ常識だ。
家に男がいたわけでもないし、体にも荷物にも異常はない。
深く考える必要もないだろう。
そう自分に言い聞かせてシャワーを止めて浴室を出た。