「なんで、あんた、ここに、あれ??ってか私、なんで、」

口を動かしてみてもなかなか思うようにはいかない。
どうやら昨日の記憶がないらしい。
聞きたいことが多すぎてまとまらない。
美咲を見ると呆れたような顔をしていた。

「言っとくけど昨日のことは知らないよ。朝来たら玄関の鍵が開いてたの。ドア開けたらあんたが転がってるんだもん。死んでるのかと思ったよ。このアホ。」

呆れ顔の中にも安心したような雰囲気があり、本当に心配してくれたんだな、と改めて感謝する。
美咲は立ち上がるとキッチンに向かった。
私も立ち上がろうとしたが、頭痛と胃痛でふらついた。
昨日はかなり飲んだようだ。
割と酒に強い私がここまでになるということはだいぶ無理したんだろう。